不動産の相続登記(所有権移転)
遺産相続の際に土地や家、マンションといった不動産が相続されることはよくあります。そして例えば相続人である兄弟が共同して相続された土地を分割してそれぞれ自分たちのものにしたりする場合や単独で不動産を承継する場合には登記をする必要が出てきます。そこで今回は相続登記について見ていきましょう。
⑴登記をする必要性
相続に限らず、不動産の登記をしなくても警察に捕まったりだとか、周りから苦情を言われるといったことはありません。登記は義務ではないのです。しかしながら登記をしなければ「この不動産は自分のものだ」と主張することができません。登録をしなければいけない車のようなものです。
⑵なぜ登記をしなければならないのか
登記をしなければならない場合として、例えば次のようなケースがあります。
父の死亡によりその2人の子供AとBに土地が相続され、遺産分割協議で法定相続とは異なる割合でそれぞれ土地が分割して相続したけれど、Aが相続登記をしないまま放置していたらBが法定相続分に応じた土地を売却したときに「この部分は自分の土地です」と買主に主張することができません。
このような不都合を回避するためにも相続登記は必要になります。
以上、所有権が必要な理由をまとめてみると、①他の相続人と揉めないため、②自分と他の相続人以外の第3者に自分の不動産であると主張するため、になります。つまり不動産の登記とは世間に対して不動産の所有権を有していることを主張するということになります。