所有権保存登記
不動産を所有したり担保を設定するときには登記をすることが一般的になります。その登記の中でも、例えば新築住宅を建てたときは所有権保存登記をすることになります。ここでは、所有権保存登記をする際の必要書類と費用をみておきます。
そもそも登記とは、土地や建物といった不動産に関する所有権・担保権等の情報が記載される制度をいいます。この登記は法務省により管理されますから、公により登記に記載された権利等の情報が保証されます。したがって、不動産に関する権利等の情報を登記しなければ、不動産の事情を知らない第三者にその権利を主張できないことになるわけです(民法177条参照)。そのため、登記をすることにより無用な法的紛争を避けることができるわけです。
その登記の中でも様々な種類がありますが、新築住宅を建てるときには所有権保存登記を行います。つまり、所有権保存登記はまだ登記されていない不動産を登記する際に行われる登記であると言えます。
そのため所有権保存登記をすることができる者は
①表題無所有者(またはその相続人・その他の一般承継人)
②所有権を有することが確定判決により確認された者
③収用により所有権を取得した者に限られます(不動産登記法74条1項)。
また、所有権保存登記を行うときは建物表題部にも登記を行う必要があります。建物表題部とは、不動産の物理的現況を記す登記です(不動産登記法2条7号参照)。つまり、建物表題登記は当該不動産の所在・床面積・構造などを記載する登記といえます。建物表題登記を申請するタイミングは、建物を新築したときまたは区分建物以外の表題登記がいまだになされていない建物を所有したときから1ヶ月以内になります(同法47条1項47条1)。
なお、建物表題登記が期間内に申請されない場合には10万円以下の過料が課されることになっています(同法164条)。
建物保存登記の申請には以下の書類が必要です。
①建築確認通知書、検査済証、工事完了引渡証明書などといった所有権証明情報が記された書類2点以上
②住所証明書(建築主様全員の住民票、戸籍の附票など)
③建物図面・各階平面図
このほか、土地家屋調査士などに依頼する場合は認証印付きの委任状が必要になります。
そして、実際に建物表題登記を申請するには費用がかかります。一般的には10万円前後になりますが、地目変更登記が伴うといった特別な場合には15万円前後になる場合もあります。
最後に、所有権保存登記にかかる費用を見ておきます。
費用としては、上記の必要書類の準備費用のほか、登録免許税(不動産価格の0.4%)が必要になってきます。所有権保存登記を司法書士に依頼する場合、全体として10万円前後の費用がかかるのが相場といえそうです。
司法書士栗原事務所は川崎市・町田市・稲城市・世田谷区を中心に不動産登記に関するご相談を受け付けております。まずはお気軽にお問い合わせください。